HAWAII information. --- Jul 97
1997年7月 不動産一般動向

- 7月の中古住宅取引件数は214件でこれは1994年5月以来の高い水準で前月対比34%増、前年同月対比40.8%増。コンドミニアムも前月対比30%増、前年同月対比3.7%増であった。戸建て住宅は価格の低下による値ごろ感が取引件数増の理由だが地域別に見ると大きな違いがあり、特にメトロ、イースト・オアフ地域での回復が遅れている。コンドミニアム市場は7月の取引件数は増加したものの全体で見ると、前年累計対比-7.4%、前年累計総売上高対比-13.0%とオアフ全域で低下傾向が続いている。今後の市場の見通しとしては、戸建て住宅は価格の低下により取引件数は増加する傾向にあり、コンドミニアムは価格、取引件数とも更に低下する傾向は続くとおもわれる。
日本人投資家ワイキキ・テラス・ホテルを購入
1986年に日本会社の山田パシフィク・インク社が$11.1Mで購入した(同社は1988年に$5.7Mで土地の所有権を買う)同ホテルは、1990年にハワイの投資家グループに$50Mで売却され(その後$10.5Mを内装費に掛ける)、この度また日本の名古屋で会計事務所を経営するオオタケ・ツネオ氏によって$22.1Mで買収された。この金額は前所有者がこのホテルの為に掛けた費用の36%で一部屋当たり$91,500ドル(全部屋数242)となる。この投資は最近の日本人ホテル所有者による投げ売り傾向(日本の銀行が融資金の回収手段として実施されている)、に逆らう新投資として注目を集めた。同ホテルが今年秋に開店するナイキタウンと来年オープン予定のコンベンション・センターに近い点が投資家の興味をひいた。
ハワイの最高級住宅地区カハラで日本人夫婦が下宿屋経営
下宿屋を営業することは、前地主であるビショプ・エステイトが1980年代に、土地の所有権を個々の借地権土地所有者に売却した時に付けた不作為約款に明記されている「個人住宅専用」という用途に違反しているとして隣人達が起こした訴訟で、巡回裁判所のコチ判事は隣人の訴えを認め営業の停止を命じる判決を下した。問題の住宅は4730カハラ・アベニューにあり敷地16,788平方フィートに建坪11,800平方フィートの建物が建っており、個室が10、浴室が16、台所が2ヶ所、冷蔵庫が10台、洗濯機と乾燥機が各2台設置されたコイン・ランドリー1ヶ所あり1996年5月に市建設局の調査官が訪れた時には22名の居住者がいた。日本人夫妻は3人の原告が白人であるためこの訴訟は人種差別である、あるいは英語の読解力が充分でなかった為、約款が理解出来なかったと主張したがいずれも、認められなかった。
- 賃貸市場動向
マキキ地区のワイルダータワー・コンドの小奇麗な2寝室の部屋を$1000/月で貸すのに2ヶ月かかった。カラカウアに近いファーン通りのワンベッド・ルームの賃貸付けに6週間かかり、なお且つ賃料は前回の$700から$600に落ちた。ハワイ大学の学生寮では昨年の授業料の値上げと賃貸相場の低下(大学周辺のマノア地区では賃貸物件数が93年度から二倍近く増えている)により、91年度には100%の入居率で希望者は順番待ちの状態であった学生寮が、今年の秋には74%前後までの低下が予想されている。特に都市部での賃貸相場が厳しく賃料も1年前と比べると平均$50~$100/月低下している。現在の不景気が続く限り、住宅を賃貸に出し両親の家に移り住む人、建て売り業者は販売不振のために価格を下げ、インセンテイブ゙を付け大いに販売促進をする。その結果、住宅を買う事を考えてもいなかった賃借人にも現在の賃料と多少の頭金で購入する事が可能になってきた。これらの結果、賃貸市場の供給が増加、賃料の更なる低下を招く。業界ではこの傾向が今後とも続くと見ている。
ハワイは全米で一番企業経営に経費の掛かる州
ビジネスウイークの記事に拠ると、RFA Inc.により労働コスト、税金、エネルギーコストを基礎に開発されたビジネス・コスト指標に基ずくと、ハワイ州は123.1で全米一となり、企業経営の困難さを如実に示している。二番目は116.8のコネチカット州、115.0ニュジャジー州となっている。逆にコストの低い州はワイオミングが86.5、ケンタッキー87.0、ルイジアナ89.7となっている。特にハワイ州は労働コスト、エネルギーコストで全米一、税金では二番目と言う結果である。この報告書はハワイが危機的状況にあることを示しており、事実ハワイ州は過去四年にわたり仕事数が減少しており歴史的な長期不況を経験している。
アメリカのリゾート地ではハワイがナンバーワン
旅行業者及び頻繁に旅する旅行者から、ホテルとリゾート・スパを対象に調査した(部屋、サービス、食事、施設と価格)1997年度ザガット・サーベイによるとハワイは全米で一番人気のあるバケーション・リゾートで、ホテルの部屋代も95年の$139.34から7%増の$149となり、これは全米32都市の97年度平均$151.61を下回り、旅行地としてはより価格競争力が出ていると報告されている。ホテル部門の全米トップ100では4位のハレクラニ・ホテルを筆頭にホテル・ハナマウイが50位、ロイヤル・ハワイアン・ホテルが85位に挙げられている。リゾート・スパ部門ではのロジ・アト・コエレ、フォーシーズン・リゾート・ワイレアが1位2位を占め全部で19のリゾート・ホテルが100番以内に選ばれている。特に、ホテル運営専門会社に委託せずオーナー会社からの日本人スタッフによる直営で、高級ホテルとしての高い評価を得たハレクラニ(三井不動産)は日本的なサービス・マインドを、ローカル・スタッフに浸透させ、それを実践させた事は注目に値する。
ALOHA Jungle's
HOME